第41回

2007年3月8日(木曜日)はスワジランド

目次

国のあらましと地図
自然
歴史
産業・経済
文化

独立−1968年
国名−スワジランド王国 
     Kingdom of Swaziland 
面積−1.7万平方キロメートル

人口−110万人(2003年)
首都−ムババーネ Mbabane
     
住民−スワジ、ズールー、トンガ、シャンガーン 他
    

主な言語−英語、スワジ語(シスワティ)
    

宗教−キリスト教、伝統宗教

自然

国土は、トランスバール高原からもモザンビーク平原に下る傾斜部にあたり、西部から東部に低くなっています。水量の豊かな3つの川が西から東に流れ、山岳地帯のほかは、地味は豊か。気候も温暖です。

歴史

19世紀はじめ、スワジ王国が形成
1902年、イギリス高等弁務官領となります
石器時代から、サン(ブッシュマンブッシュマン)が住みます。

16世紀、バントゥーが北方から南下して、その中のスワジが定着。
19世紀はじめ、スワジ王国を形成。たびたびズールー王国と争います。
1840年代、イギリス領ケープ植民地から南方に移動するボーア人の圧迫も受け、イギリスの保護下に入ったり、ボーア人の統治下に置かれたりします。
1902年、ボーア戦争後、正式にイギリス高等弁務官領となります。スワジの伝統的な政治組織は残ります。


21年、ソブフザ2世が即位。土地の奪回を目指します。
63年、アフリカ諸国の独立の影響を受けて、制憲会議が開かれます。
64年、新憲法の下で、総選挙が行なわれ、国王を党首とするインボコドボ党が圧勝。
67年、内政の自治を得ます。
1968年、スワジランド王国として独立
82年、国王、ソブフザ2世が死去
その後、後継者をめぐる内紛が続きます
1968年、スワジランド王国として独立。ソブフザ2世が治める立憲君主国となります。上院、下院の二院制(議席はすべてインボコドボ党)によって運営。

72年、総選挙で、野党ヌグワネ民族解放会議が3議席を獲得。
73年、国王は憲法を廃止、議会を解散。政治活動を禁止します。国王は三権を独占。
77年、国王独裁に対して、学生がストライキを行ないしますが、弾圧されます。
78年、新憲法が公布。国王が任命する議員と、間接選挙による議員からなる二院制が新設されます。これに対して、反国王勢力が解放運動を組織しますが、指導者は逮捕、拘禁されます。

82年、国王が死去。その後約1年間、後継者をめぐる抗争が展開されます。
同年、南アフリカがインド洋に面するホームランド
(カングワネとイングワブマ)を割譲するかわりに、スワジランド内のアフリカ人民族会議(ANC)を追放するという、不可侵条約を南アフリカと締結。しかし、住民の反対で、領土割譲のほうは実現しません。
83年、マホセティベ王子を成人後、即位させることが決定されます。
86年、王子は、ムスワティ3世として即位。5月、内閣改造で、ベキムピ王子が首相となり、王位継承で対立したムファナシビリ王子は投獄されます。その後、王は首相を解任、と内紛が続きます。
1995年から
労働組合連合が反国王勢力の中心に 
  
90年、ヌグワネ民族解放会議のズワネ党首が直接議会選挙制を主唱。人民連合民主化運動(PUDEMO)も王室支配を批判。これらを国王は弾圧。しかし、PUDEMOに対する国民の支持は高まります。
93年、直接制を導入した議員選挙が実施され、首相を含む前閣僚のほとんどが議席を失います。政党活動は以前、禁止。
95年、スワジランド労働組合連合(SFTU)が、王制の廃止、民主政治の実施などの項目をあげてゼネストを実施。
同年、産業関係法修正により、ストを禁止。
96年、SFTUがゼネストを敢行。
同年、国王が憲法見直し委員会(CRC)の設置を表明。
97年、SFTUがゼネストを敢行。
98年、総選挙が実施されます。


2000年、SFTU主導によるゼネスト決行、国境封鎖デモ
2001年、憲法見直し委員会(CRC)が最終答申発表。
2003年、憲法起草委員会(CDC)が憲法案提出。
同年、総選挙実施。



産業・経済

土地は肥沃で、西部山岳地帯では林業、中部高原地帯は柑橘類、東部の低地は灌漑により、サトウキビが栽培されています。鉱物資源では、アスベスト(石綿)、石炭を産出。

外資系企業は南アフリカ系とイギリス系が多く、農産物加工、木材加工などがあります。
三方で接する隣国、南アフリカに依存しているため、工業は未発達でしたが、 近年は砂糖等の農作物を原料とした飲料産業や、アメリカの対アフリカ関税優遇政策(AGOA)の恩恵を受けるアパレル産業が成長しています。

南部アフリカ関税同盟(SACU)、南部アフリカ開発共同体(SADC)、東部南部アフリカ共同市場(COMESA)に加盟。ナミビア、レソトほかとともに南アフリカの共通通貨圏(ランド圏)に所属しています。

主な輸出品は、濃縮清涼飲料、砂糖、パルプ、柑橘類、化学製品、
相手国は、南アフリカ、EU、イギリス、モザンビーク、米国、フランス(2003年)。

主な輸入品は、機械・輸送機器、工業製品、食料・家畜、
相手国は、南アフリカ、EU、イギリス、NAFTA(北米自由貿易協定)加盟国、日本、シンガポール(2003年)。

主な日本への輸出品は、柑橘類、パルプ、石綿、
日本からの輸入品は、ファスナー、銅線、機械類、乗用自動車(2004年)。

主要援助国は、日本、イタリア、オランダ(2002年)。




文化

狩猟や採集の様子などを鉱物を顔料として描いた、サン(ブッシュマン)の岩面画が残っています。




主な参考資料
『アフリカを知る事典』(平凡社)
外務省ホームページ

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